news

お知らせ

頚椎椎弓形成術を語る会代表についてのお知らせ


文責 医療ジャーナリスト 岡林秀明(星林社)

頸椎椎弓形成術を語る会代表を務める成田 渉 医師(医学博士)は、頸椎椎弓形成術(首の骨の裏側を開いて神経の圧迫を除く手術)の分野で日本をリードする存在です。その手術技術と実績は群を抜いており、年間およそ300件という国内トップクラスの頸椎手術症例数(2022年DPC統計)を記録しています 。本記事では、成田医師の卓越した技術と全国的な指導力、先進的なXR手術や低侵襲治療(MIST)への取り組み、そして地域の病院を最先端医療の拠点へと変貌させたリーダーシップに迫ります。加えて、メディア出演や市民への啓発活動を通じて広がる低侵襲脊椎治療の魅力についても紹介します。

画像
頸椎椎弓形成術を語る会の意義

圧倒的な手術実績と全国トップの症例数

成田医師は日本有数の頸椎外科手術スペシャリストであり、その手術件数は群を抜いています。京都府亀岡市立病院の脊椎センター長として2018年より毎年300例以上の脊椎手術を執刀しており 、2021年には年間330件もの手術を達成しました 。この数字は一人の脊椎外科医による手術件数として全国でも突出しており、2022年度のDPCデータ(診断群分類統計)に基づけば、成田医師は頸部脊柱管狭窄症(主に頸椎椎弓形成術による治療)で全国第1位(執刀医あたり推定)の執刀数を誇ると言われます。その累計手術実績も3000件を超えており 、まさに経験値の塊ともいえる存在です。

この圧倒的な手術数は「患者さんのために常に最善を尽くしたい」という成田医師の情熱の現れです。地方都市・亀岡の地域医療を支える市立病院にいながら、首都圏の大病院にも劣らないどころか凌駕する実績を上げたことで、現在では全国各地から患者が成田医師を頼って来院しています。「成田先生に必ず診てもらえる」という安心感が遠方からの受診を後押しし、亀岡市立病院 脊椎センターは頸椎手術の件数で京都府内1位・全国でも3位に入るほどの実績を築きました 。地方の小さな病院が、日本の頸椎外科治療の一大拠点へと飛躍を遂げた背景には、成田医師の卓越した腕前と努力があるのです。

画像
全国から手術見学を受け入れ

全国に広がる技術指導と人材育成

豊富な経験に裏打ちされた成田医師の手術手技は、「自分ひとりのものではなく、全国の患者さんのために広めるべきだ」という信念のもと各地の医師たちに伝承されています。成田医師の執刀には全国から見学希望が絶えず、手術室では他院の医師がモニター越しにその匠の技を学ぶ姿が日常的に見られます 。また成田医師自身もフリーランスの脊椎外科医として各地の病院に赴き、手術指導や講演を積極的に行っています 。こうした指導を受けた医師たちは、自院で成田流の先進手術を取り入れ、地域の患者に還元しています。

画像
コロナ禍における手術見学システムの構築

たとえば、国立病院機構岡山医療センターの脊椎外科部長の山根健太郎・高尾真一郎 医師や、洛和会丸太町病院の槇尾智医師・原田智久医師は、成田医師から最新の頸椎手術技術を学んだ一人です。山根医師は成田医師の手術見学を経て顕微鏡下頸椎椎弓形成術(ミストによる鍵穴手術)の技術を習得・応用し外視鏡を用いて、自院で実践しています。また槇尾智・原田智久医師も、成田医師が開発に関わった最新技術や機器を積極的に取り入れ、全国から患者が集まる先進的な治療を行っています 。このように、成田医師が育てた「教え子」たちが各地で活躍し、彼の手術理念と技術が全国に広がっているのです。

画像
学閥を超えた技術交流

さらに2025年には、成田医師が主体となって**「頸椎椎弓形成術を語る会」**という全国規模のフォーラムも立ち上げられました 。この会は各地の脊椎外科医を集めて新技術について徹底討論し、情報発信と技術継承を図る場です 。学閥や地域の壁を越えて知見を共有し、日本全体の脊椎外科レベル向上を目指す成田医師の姿勢は、多くの医師から支持を集めています。こうした人材育成・交流の取組みにより、「日本中どこに住んでいても最新・最高水準の頸椎治療が受けられる」未来に一歩ずつ近づいています。

信州大学医学部整形外科亀岡市立病院の成田渉先生の手術見学に池上章太先生と伺わせていただきました。…www.facebook.com

下記は信州大学整形外科公式Facebookからの引用です。
——————————-
亀岡市立病院の成田渉先生の手術見学に池上章太先生と伺わせていただきました。
成田先生は側臥位LIF+PPSやAR手術関連など多岐にわたってご高名な先生ですが、今回、顕微鏡下頚椎椎弓形成術の手術を見学させていただきました。お一人で、皮膚切開3cm、手術時間26分と驚異的な手術をされていました。頚半棘筋の温存は勿論、多裂筋、椎弓を含めた軟部・骨組織の温存量が非常に多く、顕微鏡の角度をかえて視野を確保されながら、両手を巧みに使って華麗な手術をされていました。
今回の見学で学ばせていただいたことを明日の診療に活かしたいと思います。快く手術見学を迎え入れていただきました成田先生、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
信州大学整形外科 笹尾真司
——————————

信州大学整形外科公式Facebook

XR技術と最小侵襲手術(MIST)のパイオニア

成田医師が国内随一の症例数を安全にこなし、患者さんに高い満足度を提供できている秘訣の一つに、XR技術(仮想現実=VRや拡張現実=AR)と最小侵襲脊椎治療(MIST: Minimally Invasive Spine Treatment)の積極的な導入があります。成田医師は自ら開発した手術機器の研究で医学博士号を取得したほどの技術者肌で 、最新テクノロジーの医療応用にも熱心です。2017年には日本で初めて仮想空間内で患者の立体解剖を再現し手術計画に活かすXR脊椎治療を開始し 、ベンチャー企業と共同でVR手術支援システムを開発・臨床応用しました 。このシステムでは患者さん個別のCT画像から3Dモデルを作成し、VRゴーグルで患部を立体的に観察できます 。術前シミュレーションや医師間の方針共有に役立つ画期的な仕組みで、成田医師が作成したデータも組み込まれたこのプログラムは全国50以上の医療施設で導入されています 。デバイスの小型化・軽量化が進めば、将来は手術中にVR画像を見ながら手術するといったことも可能になると期待されています 。

画像
Apple Vision ProとHoloeyesMDによる画像診断

一方、実際の手術手技においても**「低侵襲で患者に優しい治療」を極限まで追求しているのが成田医師の特徴です。その代表がMISTによる顕微鏡下頸椎椎弓形成術**(いわゆる鍵穴手術)です 。通常、首の後ろを開く頸椎手術は切開創が10~15cmにも及ぶ大がかりなものですが、成田医師の手術ではわずか3~4cm程度の切開で済みます 。絆創膏で覆えるほどの小さな傷から深部の手術を行うため「鍵穴頸椎手術」とも称されるこの術式では、直径3.2mmの高速ドリルや最先端の手術用顕微鏡を駆使して脊柱管を拡げ、神経の圧迫を的確に取り除きます 。傷口が小さい分、術中出血量も驚くほど少なく抑えられます。実際、成田医師の頸椎手術における平均出血量は約10cc程度で、「画面では血が真っ赤に見えて多く感じるが、実際はそれくらいしか出ていない」と成田医師自身が解説するほどです 。400cc程度が一般的な献血量であることを考えると、いかに微小な出血で済んでいるかがわかります 。

画像

このような工夫により、成田医師の手術では患者さんの体への負担が最小限に抑えられています。筋肉や周囲組織へのダメージを最小限にとどめることで術後の痛みも軽減され、手術の翌日にはもうリハビリを兼ねた歩行練習を開始できるほどです 。入院期間も約1週間と短く、しかも全症例の9割以上は退院後に通院でのリハビリを必要としないまでに回復します 。手術時間も1例あたりわずか30~45分程度と短時間で終わり 、合併症リスクも低減できていることから、患者さんにとって理想的な手術と言えるでしょう。「切開3cm・出血30cc・手術時間30分」を目指す——成田医師率いる脊椎センターの掲げるこの目標は決して絵空事ではなく 、日々の診療の中で現実のものとなっています。

画像

地方病院を最先端医療の国際拠点へ

亀岡市立病院の脊椎センターは、京都市中心部から離れた人口9万人ほどの地方都市にあります。しかし現在では、この地に国内外から最新の頸椎治療を求めて人が集まるようになりました。その原動力となったのが、2018年の脊椎センター設立当初から陣頭指揮を執った成田医師の存在です 。「地域柄、脊椎疾患の患者が多い一方で、手術のリスクと難易度が高いため対応できる医師が少ない」という亀岡地域の課題を打開すべく招かれた成田医師は、赴任早々から内視鏡や顕微鏡を駆使した高度な脊椎手術に挑み続けました 。その結果、地元住民はもとより遠方からも多くの患者が訪れるセンターへと成長し、今や「亀岡に行けば最先端の安全な首の手術が受けられる」と全国に知られる存在となったのです。

成田医師は安定した公立病院の身分にとらわれず、亀岡を拠点にフリーランス外科医として活動する道を選びました 。これは、公立病院の枠に収まらず企業と協力して技術開発を行うための大胆な決断でした 。現在は亀岡市立病院脊椎センター長の職にありながら、必要に応じて全国の病院で手術を執刀・指導し、新しい医療機器の開発やコンサルティングにも携わっています 。医師免許を持ちながら工学的センスも発揮する“ハイブリッドな才能”を遺憾なく発揮している成田医師の活躍は、地方から日本の医療を変革するモデルケースとして注目されています 。

その評判は海外にも届いており、国際学会での講演や海外の専門医との交流も盛んです 。成田医師自身、「医療の未来は、外科医の熱意とXRのような新技術が切り拓く」と語っており 、地域や国境を越えてより良い治療を提供するための挑戦に終わりはありません。地方病院から世界レベルの医療を発信する成田医師は、まさに日本の誇るべき頸椎外科のフロントランナーと言えるでしょう。