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お知らせ
シンフォニーメディカル株式会社(本社:京都市、代表取締役:植田朋和)は、2025年3月8日(土)に日本橋髙島屋三井ビルディング9階の日本橋ホールにて「第1回 頸椎椎弓形成術を語る会」を共催いたします。
イベント概要
• イベント名:第1回 頸椎椎弓形成術を語る会
• 日時:2025年3月8日(土) 14:00~20:00
• 会場:日本橋髙島屋三井ビルディング 9階 日本橋ホール(東京都中央区日本橋二丁目5-1)
• 形式:現地開催(対面)
• 主催/共催:頸椎椎弓形成術を語る会(代表世話人:成田 渉 先生[亀岡市立病院 脊椎センター長])/シンフォニーメディカル株式会社
イベント内容と背景
シンフォニーメディカル株式会社が2023年に発売した「OPERAラミノプラスティシステム」は頸椎椎弓形成術を目的とした国産インプラントで、シンプルな操作機器と低アーティファクト設計により術後のCTおよびMRI検査の妨げになりにくい構造を備えたコンパクトでフレキシブルなプレートシステムです 。発売から2年を迎えた現在、本製品は大学病院3施設を含む全国25施設で使用、1000例を超える実績があり、脊椎外科領域にて着実に実績を積み重ねています。実際、本システムは「小侵襲手術を可能にし、患者様の早期回復に大きく寄与する革新的なソリューション」として医療現場から高い評価を受けています 。
この度開催する本会では、頸椎椎弓形成術に携わる全国の専門医が一堂に会し、最新の手術手技や治療経験について発表・討議いたします。特別講演では、国立病院機構 岡山医療センター整形外科の山根健太郎先生を講師に迎え、「外視鏡を用いた最小侵襲頸椎椎弓形成術(ExLAP)・学閥を超えた技術交流」をテーマとしたご講演が行われます 。また、複数の症例報告や研究発表を通じて有益な知見が共有される予定です。
さらに、実際の手術手技を体験できる Real Spine を用いたハンズオンセミナーも開催いたします。Real Spineは手術中の出血を再現可能な最新型の脊椎モデルであり、参加者はこのモデルを用いて臨場感あふれる実習を行うことができます 。これにより、安全かつ効果的な技術習得を支援し、参加者のスキル向上に寄与することが期待されます。
本ユーザーミーティングは、頸椎椎弓形成術の知識・技術を共有し、所属施設の垣根を越えたネットワークを構築する貴重な機会となります。参加者同士の活発な情報交換を通じて、低侵襲脊椎手術のさらなる発展と患者様の治療成績向上が促進されることが期待されます。当社といたしましても、本会の共催を通じてOPERAシステムの有用性を広く知っていただくとともに、日本発の医療技術の研鑽と革新的な手術手技の普及に今後も貢献してまいります。
問い合わせ先:シンフォニーメディカル株式会社
TEL:075-600-2077
公式サイト:[シンフォニーメディカル株式会社 公式ホームページ](https://sym-md.com/)
プログラム
Opening Remarks 司会:三原真由美(株式会社マイヤインターナショナル 代表取締役)
本会の意義・個が発信する時代へ- MIST学会2026へ向けて- – 成田渉(亀岡市立病院脊椎センター)
16:00~
指定演題 (演題1~10) 講演5分 質疑応答2分
座長:糸井 陽(順天堂大学付属静岡病院 整形外科)
1. 地域医療にこそ小侵襲手術!-仙台における片開き式頸椎椎弓形成術導入の壁- – 山屋 誠司(国立病院機構 仙台西多賀病院 脊椎内視鏡センター)
2. 初学者の片開き式椎弓形成の導入 – 山元 龍太郎(舞鶴赤十字病院 整形外科)
3. 学閥を超えた伝承 -京都から岡山へ- 外視鏡下頸椎椎弓形成術の導入 – 高尾 真一郎(国立病院機構 岡山医療センター 整形外科)
4. 整形外科単科クリニックにおけるMIST頸椎椎弓形成術のメリット – 川口 愼治(医療法人社団 大室整形外科 脊椎・関節クリニック)
5. 片開き式頸椎椎弓形成術におけるOPERAの優位性と使用上のポイント – 槇尾 智(洛和会丸太町病院 脊椎センター)
6. 頸椎神経根症:エコーガイド下神経ブロックから手術治療まで – 飛田 哲朗(愛生会 総合上飯田第一病院 脊椎外科)
7. 小侵襲頸椎椎弓形成術の選択-早期退院を目指して- – 伊藤 研悠(医療法人全医会 あいちせぼね病院)
8. 頚椎椎弓形成片開き用プレートのピットフォール -安全な使用のために- – 糸井 陽(順天堂大学付属静岡病院 整形外科)
9. 頸椎椎弓形成術後の首下がりに関する検討 – 船尾 陽生(国際医療福祉大学 三田病院 整形外科)
10. 脳神経外科から見た頸椎椎弓形成術のポイント – 渡邊 水樹(聖隷浜松病院 整形外科)
17:30 〜 特別講演 (Special Lecture)
外視鏡を用いた最小侵襲頸椎椎弓形成術(ExLAP)・学閥を超えた技術交流 – 山根 健太郎(国立病院機構 岡山医療センター 整形外科)
Closing Remarks
日本発・OPERAラミノプラスティシステムの3年目へ向けて-
– 佐々木 寛二(聖隷浜松病院 整形外科)
〜症例検討・懇親会〜
特別講演:ExLAP(外視鏡下最小侵襲椎弓形成術)の最新知見
本イベントの特別講演では、国立病院機構 岡山医療センター 整形外科の山根健太郎先生をお迎えし、「外視鏡を用いた最小侵襲頸椎椎弓形成術(ExLAP)・学閥を超えた技術交流」と題したご講演をいただきます 。ExLAPとは、拡大鏡として外視鏡を用いることで従来の片開き式椎弓形成術(開棟術)を小侵襲化した最新手術手技です。従来法に比べ後方組織への侵襲が少ないことが特長で 、早期術後の患者負担軽減が期待されています。実際、山根先生らの臨床研究ではExLAPの有用性が示されており、術後の頚部痛(NRSスコア)が従来術式よりもすべての評価時点で有意に低減し 、鎮痛薬の使用頻度も少なくて済む傾向が報告されています (例:術後14日目の頚部痛NRSスコア中央値はExLAP群1.0点、従来法群3.1点 )。下図は本研究で比較されたExLAPと従来術式の術後疼痛スコアの推移を示したものです(表2より引用) 。
【図表】ExLAP(グループM)と従来法(グループH)における術後頚部痛NRSスコア比較(術後3日~14日)
評価時点 | ExLAP群 (NRS平均±SD) | 従来法群 (NRS平均±SD) | p値 |
術後3日 | 4.0 ± 2.1 | 6.6 ± 2.3 | 0.004 |
術後5日 | 3.5 ± 1.2 | 5.1 ± 2.3 | 0.025 |
術後7日 | 2.4 ± 1.1 | 4.9 ± 2.0 | <0.001 |
術後14日 | 1.0 ± 1.1 | 3.1 ± 1.2 | <0.001 |
※山根健太郎先生らによる Journal of Clinical Medicine 論文より作成 . NRS=Numerical Rating Scale(痛みの主観的評価尺度), SD=標準偏差. |
このようにExLAPは術後の疼痛軽減に大きな効果を示しており、患者のQOL(生活の質)向上に寄与しうる画期的な技術です 。特別講演では本手技の詳細な比較や術後成績について、上記データを含めた最新知見が共有される予定です。さらに参加者同士で活発な討議を行い、本技術の有用性や今後の課題について学閥を超えて意見交換を行います。